任意整理はいくつかある債務整理の方法の中でも特に手軽に行えるものとして知られています。
実際のところ裁判所に申し立てをしなくとも行えるわけですから、特に手軽に行えるという考え方自体は間違えたものではありません。
ですが債務整理の方法として考えるとメリットもあればデメリットもある、一長一短の方法であるということは知っておく必要があるでしょう。
では任意整理にはどういったデメリットがあるのかというと、最も注意しなくてはならないのが交渉力を要するところです。
この債務整理方法は裁判所に申し立てをしないため、最終的な合意内容が債務者と債権者の交渉によって決定されます。
一応ある程度の合意内容の相場のようなものはあるのですが、債務者にとって有利な内容で合意を得るにはしっかりとした交渉が必要不可欠です。
加えて交渉の席に着けたとしても任意整理は双方が合意しなくては成立しないものであるため、交渉が失敗した場合には結局なんの債務整理効果も得られずに終わるということもあり得るでしょう。
尤も、債務整理に応じなかった場合には債務者が個人再生や自己破産といった手段に移る可能性は高い上にそうなると返済額がさらに減少するため、最初から交渉に応じないというところはあまりありません。
積極的に合意するかどうかは別問題として合意ができないというケースは少ないのですが、こうした点も含めて交渉力が必要になるということはデメリットとして考えておく必要があるでしょう。
またもう一つ注意したいポイントになるのは、合意ができたとしても債務整理の効果はそこまで大きくないということです。
もちろん債務整理の対象とする債務を債務者側が自由に選択できるというメリットは個人再生や自己破産には無いものであるため、このメリットを評価できるのならば選ぶ価値が十分あります。
しかし現段階ですでに返済のめどが立たない状態になっているのならば返済条件を再設定したうえで返済を継続する任意整理よりも、個人再生や自己破産といった方法を選んだ方が良いこともあります。
よって合意ができるであろう条件を事前に想定し、それで自身の状況がどれくらい変わるのかというのを考えた上で方法を選択するようにしてください。
まとめると任意整理のデメリットは交渉力が必要になることと最終的な効果についても個人再生や自己破産と比べて劣ることが多いといったようになります。
債務整理はそれぞれの方法の特徴を押さえた上で最も納得できるものを選ぶようにしましょう。