任意整理とは、法的整理と対置される概念です。
これは、債務者と債権者の間で交渉を行い、債務の減額や利息の引き下げなどをすることです。
債権者はこれに応じる義務はありません。
しかし、債務者が返済不能になり回収ができなくなるよりは、少しでも回収できた方が良いと判断するときには、応じることがあります。

交渉は弁護士を間に挟むことになり、個人が直接交渉しても、債権者は応じることはありません。

債務整理は、このように法的整理ではありませんが、金融事故であることには変わりありません。
したがって、任意整理を行うと、信用情報機関にその旨が登録されます。
これは、借金をしようとした場合には必ずチェックされますので、この情報が載っている期間は新たな借入をすることはできません。
なぜなら、経済的信用を失ってしまっているからです。
お金を貸す側は、お金を返してもらうことを前提に貸しますが、すでに約定通りに返済できなかったという前歴があるため、そのようなリスクのある人間に貸すことはしません。

そのため、クレジットカードの加入申し込みを任意整理後に行っても、100パーセント審査に通ることはありません。
信用情報機関は3つあり、加入していない期間の情報はわかりませんが、事故記録については機関同士で情報を交換します。
したがって、絶対にクレジットカード会社は事故記録について把握することができます。

同様に、携帯電話の機種変更もできません。
なぜなら、これらについても、信用情報を見るからです。
毎月の料金を支払ってもらえない人に対して契約をするのはリスクであるため、同様に契約を結ばないのです。
そのため、すでに事故記録で携帯電話の契約ができない人は、プリペイド式の携帯電話を使うほかないことになります。

以上のように、任意整理をすることであらゆる不利益を負うこととなります。
ただし、この状況がいつまでも続くわけではありません。
整理後に完済をすると、一定期間を経過すればその情報は消えます。
したがって、消えてしまえば借金の申し込みをした時に審査を受けても、そのことはわからないため、審査には通る余地はあります。
もちろん。
任意整理をした業者については今後とも利用ができないでしょう。
その理由は、信用情報機関に登録されていないとしても、社内ではすでに返済が不能になった人物としてデーターが保管されているからです。
一度そのようなことがあった人に融資するのはリスクしかないため、通常は融資をしようとはしないのです。